MLB NEWS
2004年03月10日発行
頂点から最弱球団への移籍
〜イバン・ロドリゲス(タイガース)〜
昨季ワールドチャンピオンに輝いた強豪チームから、歴史的なペースで負け続けた“ダメ虎”軍団へ──。メジャー屈指の捕手であるとともに、このオフにフロリダ・マーリンズからデトロイト・タイガースへと移籍し、チーム再建の切り札として期待されているのが、イバン・ロドリゲスだ。
イチロー(マリナーズ)をはじめとするメジャーの俊足ランナーをも震え上がらせるほどの強肩が武器で、過去にゴールドグラブ賞とオールスターに10年連続で選出。一方でパワーとテクニックを兼ね備えた打撃にも定評があり、テキサス・レンジャーズ時代の1999年には打率.332、35本塁打、113打点の活躍でMVPに輝いたこともあるが、体に負担のかかるポジションを守るゆえ故障が多く、2002年オフには放出の屈辱を味わう。しかし昨年、1年契約を結んだマーリンズで見事復活。レギュラーシーズン、ポストシーズンともに荒削りの若手たちを攻守にわたって引っ張り、前評判は決して高くなかったチームに6年ぶりのワールドシリーズ制覇をもたらした。
このオフはマーリンズとの再契約か、他球団への移籍かで去就が注目されたが、ロドリゲス自身が強く望んでいた長期契約のオファーをチームから提示されず、新天地を探すことに。そんな中、昨年は若手が伸び悩み、ア・リーグ新記録となるシーズン119敗を喫したタイガースが獲得に名乗りを挙げる。チーム史上最高額となる総額4000万ドル(約42億円)の4年契約を提示するなど古豪復活を目指す球団幹部たちの熱意に動かされ、ロドリゲスは移籍を決意する。昨年のように、今年タイガースでも若手の潜在能力を引き出すことができれば、今度はアメリカで“猛虎旋風”が巻き起こるはずだ。
ロドリゲスの愛称は、“パッジ”。英語で「背が低く、太っている人」という意味があり、実際にその姿を一目見ただけでは、球界を代表する捕手とは想像しがたい。しかし、守備の動きは極めて俊敏である上、99年には25盗塁をマークするなど足も速い。新天地でも走攻守すべての面で、“パッジ”のプレーから目が離せない。
