MLB NEWS

2004年04月08日発行

ファインプレーを支える男

〜グローブデザイナー麻生茂明氏 第1回〜

普段あまり耳にすることのない「グローブデザイナー」という職業。麻生氏によると、その仕事内容はグローブのコンセプトに基づいて他のデザイナーとともにデザインを考え、さらに工場と協力して機能面の味付けをしながら、プロトタイプを作るところから始まるという。そして、それを元に契約しているメジャーリーガーとシーズン中だけでなく、春季キャンプやオフなどに接触しながら機能を煮詰め、グローブを完成させていく。このように麻生氏はグローブのデザイナーであるとともに、コーディネーターであるともいえるだろう。

さて、個性派揃いのメジャーリーガーに対し、麻生氏がどのように意見を取り入れるのかは気になるところ。本人いわく「選手たちは非常にあいまいな表現が多い」とのことだが、「選手たちのプレースタイルを自分の目で見て把握した上で意見を言ったり、本人と手の大きさを比べてみたり、試合用のグローブを見せてもらったりします」と個々の要求にも柔軟に対応している。

仕事をする上で大切なこととして、「探究心や、人の意見をよく聞くこと」を挙げた麻生氏。また、出来上がったグローブを選手に渡すときには、その選手のことを考えながら型を作ったり柔らかくする「真心」も大事にしている。麻生氏のこういった努力が、メジャーリーガーのパフォーマンスを高めているといっても過言ではない。

W-PRESSトリビア
メジャー屈指の技巧派投手で、先日カブス移籍が決まったグレッグ・マダックス。 彼は以前、決め球のサークルチェンジを握る際に小指をグローブに引っかけてしまうことから、打者に球種を読まれてしまうという悩みを抱えていた。この話を持ちかけられた麻生氏は、本人からその独特な握り方を直々に教えてもらい、グローブを改良。それ以来マダックスは、この決め球をスムーズに投げられるようになり、今日までに通算289勝を積み重ねている。