2006/9/ 9 -- 秋山英宏のテニス・ツアー潜入記
エナンアーデンが逆転勝ちで決勝進出!
エレナ・ヤンコビッチ(セルビア)は、挑戦者らしく果敢に攻めた。思い切りラケットを振り回し、キム・クライシュテルス(ベルギー)ばりの“開脚ショット”を何本も見せて、ジュスティーヌ・エナンアーデン(ベルギー)に食い下がった。ヤンコビッチのウイナーは第1セットだけで12本。その攻撃的なテニスが好ゲームを演出した。
一方のエナンアーデンは、眠っているような立ち上がりだった。第1セットを落とし、第2セットも2-4となった。エナンアーデンはサーブが不調で、ダブルフォールトは計12本を数えた。第1、第2セットは、セカンドサーブになるとわずか20%しかポイントを得ることができなかった。「立ち上がりはすごく緊張していて、リズムが悪かった」とエナン。しかも彼女は腰を痛めていた。サーブの不調にはフィジカル面と精神面の両方が影響していたようだ。
ところが第2セット中盤から試合は急展開を見せる。このセットは神経戦になった。両選手ともラケットが振り切れない。しかし、これはどちらかといえばエナンのペース。ヤンコビッチはイライラした様子を見せはじめた。「何度チャレンジ(ビデオ判定を要請)すればいいのかしら?」と主審に食い下がる。グランドスラムで初めて採用されたビデオ判定システムによって何度か判定が覆ったことで、審判に対する不信感が芽生えていたのだ。ただ、ここはどう考えても、冷静に試合を進めるべき状況。準決勝の舞台で、ぎりぎりの戦いを続ける中で、彼女のメンタルも綱渡りの状態だったのだろう。
エナンアーデンは、じわじわ息を吹き返した。2-4から3-4にしたゲームが大きなターニングポイントになった。第1セットの思い切りが影を潜めたヤンコビッチは、もう恐れるに足りない相手だった。
「ベストの状態ではない中で、最高のテニスを見せた相手に勝てたことは、とてもうれしいわ」とエナン。この勝利で、エナンアーデンは今季のグランドスラムで4度目の決勝進出となった。1年のうちに4大大会ですべて決勝に進出した選手はグラフ、ヒンギスなど過去に6人しかいない。決勝の相手マリア・シャラポワとの対戦成績は、エナンの4勝1敗。エナンアーデンは、優勝すればWTAランキング1位に返り咲く。
投稿者: フリーライター 秋山 英宏 日時: 2006年09月09日 08:18|パーマリンク|コメント: 0 »コメントを送る…