2007/2/ 3  --   秋山英宏のテニス・ツアー潜入記

元女王の迫力、そして涙。復活セリーナ!

【全豪オープン女子シングルス決勝 1月27日 オーストラリア/メルボルン】
われわれは、まずセリーナ・ウィリアムズの「迫力」に驚いた。マリア・シャラポワの最初のサービスゲーム。セリーナは噛みつくような勢いでボールに突進した。決して弱くはないシャラポワのサーブを、全力でたたきにいった。無謀とも言えるくらいのハードヒット。それはセリーナの、宣戦布告だった。この時点でシャラポワは翌週の世界ランキングで1位に返り咲くことが決まっていた。このハードヒットは、元女王が現女王に叩きつけた挑戦状だった。

気の強いシャラポワだけに、萎縮したわけではないと思うのだが、相手を威嚇するようなセリーナのハードヒットに腰が引けたというか、たじたじとなった。準決勝ぐらいからおかしかったサーブは明らかに変調をきたしていた。必殺技となったミドルコートからのスイングボレーの機会も少ない。試合はセリーナの一方的なペースで進んでいった。

優勝を決めたセリーナは、踊るようなステップでコートの中央に歩み出て、観客に感謝を捧げた。その軽やかな足取りを「スクールガールのよう」と表現したのは、現地の新聞だったかテレビのアナウンサーだったか。無邪気な姿は、心の底からの喜びの表現だったのだろう。

締めくくりは「涙」だった。ウイナーズスピーチの最後にセリーナは「この優勝を(03年に暴漢に撃たれて亡くなった)姉のイェトゥンデに捧げます」と言いながら涙声になった。姉の死、ひざの手術、そして一家が巻き込まれた訴訟問題と、様々な障害を乗り越えて手にした優勝。グランドスラム通算8個目の栄冠は、これまで抱いたどのトロフィーよりも重かったに違いない。

投稿者: フリーライター 秋山 英宏 日時: 2007年02月03日 11:09||コメント: 0    »コメントを送る…

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.amerjapan.com/cgi-bin/mt/mt-arrier-tracking-dodo.cgi/147

コメント

コメントを投稿


RECENT ENTRIES

CATEGORIES

LINKS

RSS/ATOM FEEDS