2007/2/ 4 -- 秋山英宏のテニス・ツアー潜入記
準優勝、しかし大きな可能性を感じさせたイワノビッチ
【東レ パン・パシフィックテニス シングルス決勝】
4-6,2-6というスコアは、この試合の一部分しか語っていない。19歳のアナ・イワノビッチ(セルビア)は、日本のファンの前で、その才能を、大きな可能性を存分に披露した。
爆発力のあるフォアハンド、威力のあるサーブ。第1セットは完全にマルチナ・ヒンギス(スイス)を押していた。勝負を分けたのは「集中力」の差だった。イワノビッチの変調につけ込んだヒンギスが、第1セット3-4から一気に7ゲームを連取、主導権を握った。「彼女がミスをしなくなり、私は集中力が落ちて、腕が重く感じ、足の動きも悪くなった」と振り返るイワノビッチ。
変調の理由を、対戦相手のヒンギスが明快に説明する。「このコートサーフェスは、少しの隙も見せられない。技術的にも、場面場面で最も正しいことをしなければならず、少しでも集中を欠くとエラーに結びつく。彼女のような若い選手には、その集中を2セット続けるのは難しかったはず」。この分析力、洞察力は、さすが元女王だ。「隙」を見せてしまったイワノビッチは、ヒンギスにとって、もはや危険な相手ではなかった。
試合後、テレビのインタビューに答えてヒンギスは「アナとは、また近い将来、どこかのトーナメントで対戦する日が来るでしょう」と話した。その舞台がグランドスラムのベスト8、もしかしたら準決勝や決勝となることも十分ありうる。上位選手が「トップ10入りは間違いなし」と口をそろえるイワノビッチ。ヒンギスも、対戦前に「素晴らしいタレント性、将来性を持った選手。今のランキングは16位だが、プレーがもっとコンスタントになれば、間違いなく上位に食い込んでくる」と予言している。新星イワノビッチのプレーは、その美貌とともに、日本のファンに強い印象を残したはずだ。
投稿者: フリーライター 秋山 英宏 日時: 2007年02月04日 16:51|パーマリンク|コメント: 0 »コメントを送る…