2007/9/ 9  --   秋山英宏のテニス・ツアー潜入記

エナンが4年ぶりの優勝。精神面の充実が目立った

すごみを感じさせるエナンのテニスだった。04年のチャンピオン、クズネツォワに6-1,6-3。まさに完勝だった。とにかくどんなボールでも拾う。鋼のような肉体は、どんなに走らされてもバランスを崩すことはない。フォアハンド、サービス、ネットプレーと、武器も増えた。決勝でエナンの放ったフォアハンドのウイナーは9本。バックハンドの2本を大きく上回った。エナンはもう、あの美しい片手バックハンドだけの選手ではない。

今季は、1月のオーストラリアンオープンを「個人的な理由」で欠場した。約4年間連れ添った夫と離別し、大会への準備が整わなかったようだ。当時のことをエナンはこう振り返っている。

「私生活でいろいろな出来事があった。その時点では、それがテニスより大事だったの。だからオーストラリアには行かなかった。でも、そのときも、どうやってツアーに戻ったらいいか考えていた。数週間かかってしまったけれど、そこからのことは自分でも驚いている。私はずっといい成績を残している。ここまで1年半の間、トーナメントでは必ず準決勝以上に勝ち残っている。これはすごいことよ。これがずっと続くといいのにね。体調もいいし、私は前よりもっとテニスを楽しんでいる」

数日前の会見では、幼い頃に関係が悪化し、離ればなれになっていた父親との関係が修復されたことも明かした。精神面の充実がテニスの好成績に結びついているのは間違いないだろう。

「(コート外のことと成績について)関連を探ろうとは思わない。私はただ幸せを感じているだけ。そして、家族が元に戻り、そのことが私の助けになっているというのは事実よ。私生活は安定していたほうがいいし、今は実際、そうなっている。それはテニスにもいい影響があるでしょうね」

USオープンでは03年に続く2度目の優勝。グランドスラム通算7度目の優勝は、セリーナ・ウィリアムズの8度に次ぐ、現役選手の単独2位。四大大会でウィリアムズ姉妹の二人を破り、優勝を手にした選手は今回のエナンしかいない。エナンは混戦の女子テニス界から一歩抜け出そうとしている。

投稿者: フリーライター 秋山 英宏 日時: 2007年09月09日 12:46||コメント: 0    »コメントを送る…

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