2008/1/18  --   秋山英宏のテニス・ツアー潜入記

ダベンポートの再チャレンジに拍手

元ナンバーワン選手同士の対戦となった、マリア・シャラポワ(ロシア)とリンゼイ・ダベンポート(米国)の2回戦は、大方の予想に反してシャラポワが6-1,6-3で圧勝した。結果はともかく、ダベンポートがここでこうしてプレーしているというのが何とも素晴らしい。

ダベンポートは06年から07年にかけて、出産のため11カ月もツアーを離れた。というより、一時は引退したものと見られていた。06年12月に妊娠を公表したダベンポート。引退宣言はなかったが「出産後はプレーする意思はない」と語ったと伝えられている。しかし、昨年6月に男児を出産すると、7月にはツアー復帰を宣言し、8月にはダブルスで米国ニューヘブンの大会に出場した。シングルスでも9月にバリ(インドネシア)の大会で復帰すると、いきなり優勝。女子ツアーで、出産を経験した選手が優勝した例は非常に少なく、89年のローラ・アラヤがサンホセ大会で優勝してから、07年2月にパタヤシティ(タイ)でシビル・バンマー(オーストリア)が優勝するまで18年近く途絶えていた。ダベンポートは89年以降では3例目ということになる。

正直、31歳という年齢を考えても、ダベンポートの出産直後の復帰は意外だったし、どこまでできるのかという懐疑もあった。ところが、あっという間にランキングを50位前後まで上げてきた。その快進撃に驚かされると同時に、彼女のテニスに対する思いの強さに感心させられた。思えば、このダベンポート、数年前から何度も「引退近し」をにおわせながら、そのたびに発言を翻し、現役にこだわりを見せた。それを考えれば、今回の復帰は少しも意外ではないのかもしれない。

31歳の現在までプレーを続けていることに関して、ダベンポートはこう語っている。
「私はチャレンジすることが大好きで、出産後に復帰するというのはとても大きなチャレンジだと思う。年をとり、(出産で)肉体的にも大きな変化を経験した今、私がどんなことを成し遂げられるのか。トライして、その結果を自分の目で確かめるのが楽しみなの。ツアーを離れている間、私は何かに励むという日々の目標を失っていた。今回はいいプレーができなかったし、これからもうまくいかないことがあるとは思うけど、それでももちろん、全体としてはすごく楽しんでいるわ」

一時代を築いた人だからできることだと思うのだが、純粋に、プレーすることに喜びを見出そうとするダベンポートの姿はさわやかだ。勝ち負けやランキングに選手たちがよりシビアになっている今だからこそ、その姿勢が余計に際立つのだ。

投稿者: フリーライター 秋山 英宏 日時: 2008年01月18日 17:18||コメント: 0    »コメントを送る…

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