2008/5/ 1  --   秋山英宏のテニス・ツアー潜入記

少年から大人へ

大人の顔になったな、というのがテレビに映った錦織圭を見ての第一印象だった。4月30日に行われた、所属契約発表の記者会見。私もその席にいたのだが、改めてテレビ画面を通して見ると、表情や顔の造作が少年から大人に変化しつつあることがよく分かった。

一緒にテレビを見ていた家人は「18歳にしては老けている」と言うので苦笑してしまった。老けているかどうかはともかく、大人びているのは間違いない。13歳で親元を離れ、本人に言わせれば「テニスの牢獄」のようなアカデミーでずっと暮らしている。ジュニア時代からロジャー・フェデラーやラファエル・ナダルのようなスーパースターと接し、エージェントやスポンサーなど「大人」と関わりを持つ機会も多い。普通の日本の18歳とは、過ごしてきた環境も、踏んできた場数も違うのだ。また、今の圭は世界のテニス界での自分のポジションを、輝かしい未来が約束された新進気鋭のプロという立場を自覚しつつある。だから、この18歳にはある種の貫禄、威厳さえ備わっている。親の庇護の元で、のんびりと高校生活を謳歌している子供たちとは顔が違っていて当たり前だ。単に顔の造作が変わっただけではない。オーラの問題なのだ。そこに気が付かないテレビマンは「シャイな18歳」という切り口でレポートをまとめていた。普通であることを強調したほうが視聴者の共感が得られると考えたのだろう。その意味では「老けている」と暴言(?)を吐いた家人のほうが案外、目は確かなのかもしれない。

プロ転向から半年で早くもトップ100入りを果たした錦織圭。日本で、ローランギャロスで、フロリダで、僕が見てきた圭の姿を、これから何回かに分けて書いていきたい。

投稿者: フリーライター 秋山 英宏 日時: 2008年05月01日 13:50||コメント: 0    »コメントを送る…

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