2009/1/30  --   秋山英宏のテニス・ツアー潜入記

【09年全豪】フェデラーが見せた、ふたつの顔

1月27日の男子シングルス準決勝で、ロジャー・フェデラー(スイス)がアンディ・ロディック(米国)を下し、四大大会通算18回目の決勝進出を決めた。この試合も、フェデラーの出来は素晴らしかった。信じられないほど角度のついたショット、“一閃”という言葉がピッタリのダウンザラインがロディックを苦しめ、試合は3セットで決着がついた。

この大会でフェデラーは2つの印象的な試合を見せている。一つはトーマス・ベルディハ(チェコ)との4回戦。この試合は3時間29分もかかり、フェデラー自身にとって通算4度目の2セットダウンからの挽回劇となった。この試合のフェデラーは、かつてのフェデラーではなかった。驚いたのはベースラインで足がもつれそうになる場面があったことだ。相手のボールが思ったより伸びてきたのだろう。しかし、予測が素晴らしく、敏捷な動きができるフェデラーが、こんなふうに足をばたつかせる場面は初めて見た。第3セットからのベルディハのトーンダウンにも助けられ、事なきを得たが、「フェデラーももはや絶対ではない」という現実を突きつけられる試合ではあった。

ところが王者は、2日後の準々決勝フアンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン)戦では、見違えるようなテニスを披露した。序盤から体がよく動いた。先行して余裕が出てくると、ショットの切れ味も増し、ショットの選択も自在になった。錦織圭が昨年のデルレイビーチ国際決勝のジェームズ・ブレーク戦で見せた「ドロップショットと見せかけた、フォアのスライスの深いボール」でフェデラーがウイナーを奪う場面もあった。調子もよく、頭も冴えていて、遊び心を出したのだろう。試合時間はわずか1時間20分。6-3,6-0,6-0は、ボクシングで言えばTKO勝ちのような試合だった。

準決勝でも好調を持続したフェデラー。決勝の相手は現時点では決まっていないが、ラファエル・ナダル(スペイン)との一騎打ちになりそうな気配だ。4回戦と準々決勝で、フェデラーはふたつの顔を見せた。決勝では、どちらの顔を見せるのだろう。

投稿者: フリーライター 秋山 英宏 日時: 2009年01月30日 12:07||コメント: 0    »コメントを送る…

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.amerjapan.com/cgi-bin/mt/mt-arrier-tracking-dodo.cgi/630

コメント

コメントを投稿


RECENT ENTRIES

CATEGORIES

LINKS

RSS/ATOM FEEDS