2009/6/28  --   秋山英宏のテニス・ツアー潜入記

フェデラーが史上6人目の生涯グランドスラムを達成

ロジャー・フェデラーが全仏オープンを制し、史上6人目の生涯グランドスラム(四大大会全制覇)を達成した。表彰式に招かれたのは、フェデラーと同じように、最後に残った全仏で生涯グランドスラムを達成(1999年)したアンドレ・アガシ。史上5人目の手から6人目の手に、優勝カップが渡された。そのカップをフェデラーは高く掲げ、満員の観衆の声援に応えた。

センターコートに流れるスイス国歌を聞きながら、フェデラーは静かに涙を流した。会見で、王者は「4つのグランドスラムを制したことを誇りに思う。長い道のりだった」と話した。

最大のライバル、ラファエル・ナダルは4回戦で敗退。昨年の優勝で獲得したポイントを失ったため、フェデラーがウィンブルドンで優勝すれば、ナダルに代わって再び世界ランキング1位の座につくことが確定している。全豪オープンの決勝でフェデラーがナダルに敗れたとき、多くのファンは、フェデラーはもうナダルに勝てないのではないか、と心配したはずだ。また、アンディ・マリーやノバク・ジョコビッチにも負けることが増えたフェデラーがモチベーションを失い、“潮時”を考え始めるのではないか、と恐れたファンも少なくなかっただろう。

しかし、念願の全仏制覇でフェデラーは蘇った。去年のウィンブルドン、そして今年の全豪で、フェデラーはナダルの脅威を感じながら戦っていたはずだ。それはおそらく、全仏での完敗が少なからず影響していただろう。1年後の全仏制覇で、フェデラーはその記憶を払拭したに違いない。レッドクレーで味わった暗澹たる思いは、美しい思い出に塗り替えられたのではないか。

全仏ではナダルとの直接対決はなく、ナダルの欠場によって、ウィンブルドンでもその機会は失われた。しかし、なによりフェデラーに自信が蘇ったのが大きい。ナダルの故障は残念だが、王者の威厳を取り戻したフェデラーと、ナダルの次の対決が楽しみで仕方ない。

投稿者: フリーライター 秋山 英宏 日時: 2009年06月28日 19:58||コメント: 0    »コメントを送る…

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