2009/9/ 8 -- 秋山英宏のテニス・ツアー潜入記
【USオープン2009】元女王同士のビッグバトル。ビーナス惜しくも敗れる
ビーナス・ウィリアムズとキム・クライシュテルスという元女王同士が激突した女子シングルス3回戦は素晴らしい試合となった。二人の闘争本能と、元女王の意地が正面からぶつかり合った。強靱なメンタルと、躍動するフィジカルのせめぎ合い。あらゆる点で、ヘビー級クラスのバトルだった。
第1セットをキムが6-0で先取すると、第2セットはビーナスが逆に6-0。分かりやすいたとえでいうと、立ち会いでキムが土俵際まで追い込むと、ぎりぎりでこらえたビーナスが逆に徳俵まで押し込んだ、という感じだ。騒ぐのが大好きなアメリカの観客が、息を呑んで見守っている。白熱という言葉がぴったりくるような好試合だった。ビーナスはひざをテープでガチガチに固めていたが、その影響を感じさせない動きを見せた。貪欲に勝利を求める本能が、大量のアドレナリンを分泌させたに違いない。
しかし、どんなバトルにも必ず終止符は打たれる。最後はキムが集中力を上げ、必死に追いすがるビーナスを振りきった。会見で「以前は大事な局面で硬くなったりしていたけど、人生経験を積んで神経戦に強くなったのかしら?」と聞かれたキムは「前と同じで、やっぱり硬くなったわ」と笑った。
一方のビーナスは「勝っていてもおかしくないほど、いいプレーが出来たと思う。でも、彼女のプレーが素晴らしかった。引退前との比較は難しいけれど、今でもすごくいいプレーをしている」と対戦相手を称えた。「大一番」というと期待はずれに終わるケースも少なくないが、これは期待以上の好ゲームだった。さすがキム、さすがビーナスだ。
自分でデザインしたメッセージTシャツを着たビーナス。大会の環境キャンペーンの一貫で制作したもの
投稿者: フリーライター 秋山 英宏 日時: 2009年09月08日 00:50|パーマリンク|コメント: 0 »コメントを送る…